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zoom RSS 気をつけろ「保険ショップ」にダマされる中高年が急増中の中、本当に「あなたの味方」なのか?

<<   作成日時 : 2016/07/10 23:30   >>

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 現代ビジネスの経済の死角というコーナーにおいて「公平中立」「無料相談」などと謳い、巷に急増中の保険ショップがそうした甘い言葉で客を巧みに誘導しながら意に反した「危ない商品」を売りつける店もあり、ダマされてはいけないという記事の掲載をしていましたのでご紹介をしてみたいと思います。」


気をつけろ!「保険ショップ」にダマされる中高年が急増中 本当に「あなたの味方」なのか
( 現代ビジネス 経済の死角 2016年07月01日(金))
 「公平中立」「無料相談」などと謳い、巷に急増中の保険ショップ。
しかし中には、そうした甘い言葉で客を巧みに誘導し、意に反した「危ない商品」を売りつける店もある。ダマされてはいけない。


「良い人そうに見えたのに」
 神奈川県在住の酒井真子さん(40代、仮名)が初めて「保険ショップ」を訪れたのは、軽い不整脈で入院したことがきっかけだった。
酒井さんには小学生になる息子がいて、共働きで働く夫婦のどちらかに「万が一」があれば、家族が路頭に迷いかねないと思った。
これまで夫婦ともに健康だったし、少しでも貯金を殖やしたかったので、保険には入らなかった。
 しかし、いよいよそうも言っていられなくなり、近所で評判になっていた保険ショップに相談に訪れたのだが、これが「悪夢」の始まりだった。
酒井さんが言う。


 「まず、どういう目的で保険に入りたいのかを聞かれたので、正直に答えました。まずは資産を預金のように安全に運用してくれながら、しかも『万が一』が起きた時に保障をしてくれる保険。それに、子供もいるので教育資金を貯められる保険商品も興味がありました」

 酒井さんが保険ショップでそうした「身の上」を話すと、相談員は親身に話を聞いてくれた。
しかも、相談料はなんと無料。
 そのうえ、相談員は複数の保険会社の商品の中から、「公平・中立」に酒井さんに合った商品を選び抜き、ベストな商品プランを設計してくれると言う。
 酒井さんの世帯年収は700万円ほどで生活に不自由しているわけではないが、家族の将来に、より安心感が持てるような保険プランを作ってほしいと頼んだ。
 そうした一連の話を聞いたうえで、相談員が提案してきたのは投資型保険。
払い込んだ保険料を保険会社が株式などで運用し、その運用結果次第で受け取れる保険金額などが増減する商品である。
酒井さんは後で知ることになるが、実は元本割れのリスクがあり、損をするかもしれない「望まざる商品」だった。

 「私はその時は言われるがまま、その保険に入ってしまいました。
しかし、後で保険に詳しい知人に話したところ、『それは危ない、資産を崩しかねない』と諭されて、『やってしまった』と気づかされたんです。
 しかも、解約した場合は手数料が発生するうえ、払い込んだ保険料が全部は返ってこないということでした」
なぜ、この保険ショップは客が望まない商品を売りつけたのか。
ファイナンシャルプランナーの宮崎貴裕氏は言う。
 「保険ショップは『乗合代理店』として、様々な保険会社の商品を取り扱い、それを売ることで保険会社から契約手数料をもらっている。
手数料は商品によってだいぶ差があります。
 本来、彼女にとって望ましいのは学資保険や終身保険など、元本が保証されている保険商品のはず。
ところがこれらは、保険ショップが保険会社からもらえる手数料がものすごく安い。
 一方で、投資型の保険は元本割れのリスクをともなう分、ショップが手にするマージンが大きい。
このケースでは、ショップ側が手数料欲しさに『安全運用』を望む彼女の意向を無視したわけです」


遺産が危ない保険に!
 ここ数年で、ショッピングモールや商店街で頻繁に目にするようになった保険ショップ。
無料で保険の比較相談ができるうえ、「公平中立なサービスを提供してくれる」との触れ込みから人気を博してきたが、それを鵜呑みにしてしまうと、痛い目を見る。
巧妙な口車に乗せられて、望んでもいない高額保険に入れられてしまう。
 最近、こうした被害に遭う中高年が急増している。
東京都に住む岡部由紀子さん(60代、仮名)もそんな「被害者」の一人。
岡部さんは夫を亡くし、遺された資産の運用を考えていた。
 「遺産は2000万円ほどありました。それを少しずつ運用すれば、年金に加えて、一人でそれなりに豊かな老後が過ごせると思ったんです」

 岡部さんには子どもも身寄りもない。運用の相談ができる人も周りにいないと困っていたところ、近所にできた「保険ショップ」が親切だと聞き、行ってみることにした。
保険ショップが薦めてきたのは、「外貨建ての終身保険」だった。
前出・宮崎氏は「悪質なケース」と指摘する。


 「外貨建て商品は、ドルやユーロ、豪ドルなど円より高い利回りが得られるのが売り。
一方で為替相場の変動によっては損をするリスクがある。
『老後資産』を安全に運用したい岡部さんには向きません。
 さらに必要のない死亡保障のために、岡部さんは余計に高い保険料を支払うことになる。
これも保険ショップが手数料欲しさに、保険知識の乏しい高齢者に高額商品を売りつけたケースです」

 複数の業界関係者によれば、こうした手数料は保険契約成立初年度に手厚く支払われる仕組みで、相場は終身保険だと年間保険料の20%~30%。


 保険会社と店が「握る」
 『保険相談室』代表の後田亨氏も言う。
「たとえば月額保険料が2万5000円の終身保険に加入してもらえると、手数料率20%でも、年間保険料30万円のうち、6万円が保険ショップに入ってくる計算です。
 一方、月額保険料が数千円程度の掛け捨ての保険では、仮に手数料率が50%でも手数料の額は相対的に小さくなります。
 保険料が高額で資産性を語れる商品を優先的に売りたくなるのはわかる気がします。
たとえその商品が顧客にとって不要なものであっても、です」

 顧客としては余計な保険料まで支払うことになるのだから、たまったものではない。
前述したように保険ショップは販売時点で手数料を受け取る。
 これは「初年度手数料」と言われるが、実は保険ショップが受け取る保険料にはそれ以外にも、「継続手数料」なるものがある。
 顧客が保険契約している間は10%などの手数料を継続して受け取れるもので、「売る側にとっては顧客を大量の保険に加入させたうえ、一度入れたら解約させまいとつなぎとめるインセンティブとして働く」(元独立系保険代理店幹部)。当然、「被害者」が続出する。


 ファイナンシャルプランナーの中嶋よしふみ氏は言う。
 「私のところに相談に来た顧客の中には、保険ショップに薦められるがままに保険に入っていたら、月額保険料が15万円になっていたという人がいました。
 相談に来る人の多くは、運用型保険から年金保険、医療保険にがん保険と多くの保険に入らされているケースがほとんど。『がんは心配じゃないですか』『老後に不安は』などというセールストークに乗せられて、気付けばまったく必要のない保険を大量に抱えてしまう人もいます」それだけではない。



 ファイナンシャルプランナーの長尾義弘氏は数年前、保険ショップに覆面調査をしたが、そこで唖然とする実態をまざまざと体験したという。
 「まず、私は入っている保険をもっと安いものに変えたいと言ったのに、あれやこれやと説明をつけて、なんといま以上に高額な保険商品を売りつけようとしてきた。葬式代くらい出せるだけの定額の保険商品でいいと言っても、提案されたのは1500万円と超高額の死亡保障の商品でした。
後で調べてわかったのですが、このときは保険会社から保険ショップに対して、『この商品を売ってくれたら旅行をプレゼントしますよ』という販売キャンペーンをやっていた。まさにその商品を、私に売りつけようとしていたんです」
 実はこうした「キャンペーン」はよく行われていて、一定の成果を挙げた保険ショップに対して保険会社から、「ハワイ旅行」「遊園地のチケット」などの特典をプレゼントすることがある。


 ファイナンシャル・マネジメント代表の山本俊成氏も言う。
 保険会社から『この3ヵ月間にこれだけ売ったらボーナスを差し上げます』というボーナス提案というのもあります。そうした保険会社との取り決めを『握る』と言い、一部には『今月は握ったので、みんなこれを売りましょう』ということをやっている店がある」
 また、保険会社の中には、年間販売額に応じて保険代理店をランク付けしているところもある。
「たくさん商品を売ればランクが上がり、ランクが上がれば支払われる手数料も上がる。逆に、ランクがあまりに下がってくると、保険会社から『うちの商品の取り扱いはもうやめてもらう』と最後通牒を突きつけられる。
そうならないために、お客の要望などそっちのけで、その会社の商品を必死で売りにかかるんです」(前出・山本氏)

 顧客の「味方」のように振る舞いながら、実は自分たちの「実入り」のことばかり考えているのだとすれば、いったいなにが「公平中立」なのか。
 そもそも、保険ショップの相談員はどの保険会社にも属さないことから顧客との信頼関係が成り立っていたのに、最近では大手保険会社の傘下に入る保険ショップまで出てきているのだから、客からすればいったいなにを信じていいのかわからない状況になっている。
 こうしたショップとしては、日本生命傘下の「ライフサロン」、明治安田生命傘下の「ほけんポート」、住友生命傘下の「ほけん百花」などがある。
 本誌記者が都心にあるこの種の保険ショップを訪ねてみると、店内に掲げられていたジャンル別の「人気商品ランキング」の1位は、ほとんどがグループ会社の保険商品が占めている。
店員に「医療保険に入りたい」と切り出すと、薦められたのがこれまた親会社の商品。
店員は「売り上げ1位の人気商品です」と説明を始めると、ものの数十分後にはさっそくご丁寧な見積書まで出してきた。
 この間、この保険ショップがその保険会社の子会社である旨は、一切説明されなかった……。
実は金融庁は保険ショップをめぐるこうした実態をかねてより問題視しており、今年5月末には業界を厳しく取り締まる法改正に踏み切っている。


「公平中立」は完全にウソ
 この法改正について議論した金融審議会の議事録を見ると、業界の実態を示す生々しい意見がこれでもかと載っている。
 〈保険ショップ等では、各メーカーである保険会社さんと個別に交渉して、特定の保険の販売強化月間みたいなものを設定した上で、そのときの販売分は高目の手数料を受け取れるみたいなお約束ですね〉
〈販売側は、今月はそういった交渉がうまく行った保険会社複数社の商品を中心に顧客に提示する、それから何ヵ月かたつと今度は違う会社の商品を売っているといった具合なんです〉

 この審議会がまとめた報告書は、次のように断言している。
〈単に『公平・中立』との表示を行った場合には『所属保険会社等と顧客との間で中立である』と顧客が誤解するおそれがあることを踏まえ、そのような誤解を招かないような表示とすることが求められ
 つまり、金融庁ですら保険ショップが掲げる「公平中立」に疑義を呈しているわけだ。
しかし、法改正に罰則規定はなく、これで業界体質は変わるかといえば、前出の後田氏は、「あまり期待できない」と言う。

 「法改正で顧客の意向の確認が義務付けられるようになりましたが、その基準はあいまいで、保険ショップ側があくまでも『ニーズに合った商品を売った』と言えばそれでおしまい。手数料開示になっても、手数料名目ではない、奨励金とかボーナスとかに名前が変わっておカネが動くだけで本質は変わらないでしょう」


オフィスベネフィット代表の岩城みずほ氏も言う。
 〈「比較検討を謳いながら客を誘導するのは変わらないでしょう。大事なのは、少しでも自分で保険の知識をつけることです」>
巧みな言葉に惑わされ、必要もない保険に入ってはいけない。
あとで泣くのは自分や家族だ。

「週刊現代」2016年7月2日号より

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