2008年生保各社が資本増強で予防措置

新聞各紙において生命保険会社の上半期業績が金融危機により経営体力がそがれてしまい、本業不振の記事が報道されています。
生保各社の経営が金融危機により揺さぶされ、株価下落による運用不振での穴埋めも迫られているのが現状です。
今の株価水準がこのまま続くようであれば通期では更に穴埋めが必要であるとみられているのですが、既に生保各社では利益が圧迫されており株安が続けば保険金支払い余力の低下にもつながることから財務基盤を強化するためにも増資を余儀なくされているのです。



◆生保各社が資本増強で予防措置[2008年]
(保険毎日新聞12月10日(水)付)

10月以降の株価下落が生保の体力を圧迫する状況になっていることを踏まえ、各社が資本増強を図っている。
有価証券評価損の計上やキャピタル資産の目減りなどにより経営体力の指標となるソルベンシー・マージン比率が低下していることなどから今後の予防も含めて行われる。

外資系ではマスミューチュアル生命、AIGエジソン生命とアリコジャパン、国内生保ではオリックス生命、T&Dフィナンシャル生命、三井生命、朝日生命、第一フロンティア生命。
8社で約3251億円となる。

 マスミューチュアル生命は11月21日、臨時株主総会で120億円の増資を決定。
財務基盤強化を目的に既存株主であるマスミューチュアル・フィナンシャル・グループのマスミューチュアル・インターナショナル・LLCに対する新株の割当発行として行う。

今後、12月に開催されるマスミューチュアル・インターナショナル・LLCの機関決定を経て発行することになるが、発行額は70億円から120億円の間で決定される予定。

 AIGエジソン生命は11月25日、12月をめどに合計605億円増資することを株主総会で決定。
世界的な経済・金融環境の変化に対して、財務基盤の一層の強化を図るための予防的措置として実施するもの。

605億円のうち300億円は実質的親会社に当たる米国AIG本社への第三者割り当てによるもので、305億円は劣後ローンの株式化による。
この増資の結果、資本金は967億5900万円、資本準備金は957億4000万円となり、計1925億円になる。

 アリコジャパンは11月26日に行われた役員会で、米国本店から526億円の持込追加資本金の増強を決議した。
資本として保有する米AIG株が下落して評価損を計上したため、9月末の907億円に続き、再度追加増資を実施。
08年度の増資額は計1433億円となった。

 一方、国内生保では、オリックス生命が11月13日、財務基盤の強化を目的に100億円を増資した。
 T&Dフィナンシャル生命は11月19日の取締役会で資本増強の方針を決めた。
増資額は400億円で12月26日を増資予定日としている。

6月に同社が販売した新商品(販売呼称「ファイブテン」)の堅調な販売状況を踏まえ、財務基盤の強化により、事業拡大を図ることを目的としている。

 また、三井生命が第三者割当で500億円を増資するほか、朝日生命が大口10社程度の引き受けで350億円の基金調達を行う。



金融危機に伴う株価急落で 「生保不安」が再燃か
(J-CASTニュース(12月10日11時47分)

生命保険主要13グループの2008年度上半期(4~9月)業績報告(決算)が出そろった。
金融危機に伴う株価急落で保有する株式の含み益が急減。保険不払い問題の後遺症を抱える中、米保険大手AIGの経営難や大和生命保険の破綻など、業界を取り巻く環境は厳しさを増しており、各社とも「生保不安」の再燃払しょくに追われている。


アリコと三井生命、アクサ生命保険が赤字転落

日本生命保険や第一生命保険など13グループの9月末時点の有価証券含み損益を合算した含み益の総額は前年同期より約10兆円少ない約5兆2000億円。
米AIG傘下のアリコジャパンや三井生命保険、朝日生命保険などが有価証券の含み損を抱えた。

この結果、財務の健全性を示すソルベンシーマージン比率は、13グループの傘下生保すべてで前年同期より低下した。
健全基準である200%は全グループとも上回った。
三井生命と朝日生命は600%台前半だった。

生保各社は保険金不払い問題で契約者の「生保離れ」を招き、08年3月期決算まで新規契約が低迷。
08年度上半期はようやく回復の兆しがうかがえたが、これまで大幅に落ち込んでいた反動に過ぎない。
むしろ契約者つなぎとめのため、営業職員を総動員して契約者の家庭を訪問したことで人件費が膨らみ、本業のもうけを示す基礎利益が圧迫された。

経常赤字に転落したのはアリコと三井生命、アクサ生命保険。
アリコは一般企業の売上高にあたる保険料等収入は国内大手4社に次ぐ位置を維持したが、保有するAIG株式の評価損2235億円を計上し、2278億円の大幅な経常赤字を計上した。
最終(当期)損益も1410億円の赤字で、アリコが上半期業績の公表を始めた97年以来、赤字は初。AIGの経営危機に直撃された格好だ。

一方、三井生命は126億円の経常赤字。財務基盤強化のため今年3月までの株式上場を目指していたが、市場の混乱を理由に延期。
金融危機は深刻化し続けており、いつ上場できるのかのめどすら立ちそうにない。


株価低迷が続くと、体力の弱い生保は一段と厳しい

逆ざやの重荷で中堅生保が次々と破綻した2000年前後の「生保不安」再燃も懸念されるが、「当時は自己資本が1兆円だったが、今は2兆円を超しており、(危機は)十分コントロールできる範囲」(第一生命)、「財務基盤は強く、厳しい局面は乗り切れる」(日本生命)などと大手は強気の姿勢を示した。

また、アリコは526億円、三井生命は500億円、朝日生命は350億円の資本(基金)増強を発表し、危機を乗り切りたい構えだ。
だが、9月末に1万1000円台だった日経平均株価は10月以降、一段と下落し、一時は7000円を割った。
最大手の日本生命ですら、10月末時点水準での有価証券含み益は9月末より2兆3000億円少ない1兆円に急減している。
来年3月まで株価低迷が続くと、体力の弱い生保の経営環境は一段と厳しさを増すことになる。





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