保険会社の管理職たちが医療保険に入らない理由

 青春新書プレイブックスから9月に発売された書籍、『「保険のプロ」が生命保険に入らないもっともな理由』は、うかつに生命保険に加入することへの警鐘を鳴らした1冊といわれているのですが、発売時から高い注目を集め瞬く間に増刷され、保険の営業現場の実情や商品設計に関わる専門家たちの本音を知る著者の後田亨氏からは、より詳しい“現場の声”を教えてもらったとの評価を寄せられている書籍と云われています。


保険会社の管理職たちが医療保険に入らない理由
( ASCII.jp 2017年11月24日 06時00分更新 文: 清談社(ダイヤモンド・オンライン) )
 青春新書プレイブックスから9月に発売された書籍、『「保険のプロ」が生命保険に入らないもっともな理由』。
うかつに生命保険に加入することへの警鐘を鳴らした1冊で、発売時から高い注目を集め瞬く間に増刷された。
 保険の営業現場の実情や商品設計に関わる専門家たちの本音を知る著者の後田亨氏に、より詳しい“現場の声”を教えてもらった。


保険料の3割超が手数料!? だからあなたはソンをする
 著者の後田亨氏はこれまでも、「安心のために」という気持ちで保険に入ると、高い確率で損をすると語ってきた。

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 テレビCMで見るような保険商品の多くは手数料が高い。
この事実を熟知している保険会社の管理職や商品設計担当者らは、こうした保険を敬遠し、格安の団体保険を好む人が多いのだという


 「“保険=いざというときに必要不可欠なモノ”という認識がいまだに根強いですが、誤解だと思います。“保険=お金を用意する方法の1つ”に過ぎません。
しかも保険は加入者にとって、かなり不利な仕組みであることに、多くの人が気づいていないんです」
 病気やケガをした際にお金の心配をするのはもっともだが、お金の工面の方法を保険に絞る必要はない。
後田氏のオススメは、ゼロコストで手に入れることができる“自分のお金”だ。

 「保険でお金を用意するより、自己負担するほうが合理的というと、『貯蓄を取り崩す不安があなたにはわからないのか』と言われることがあります。
ですが、たとえば、売れ筋の医療保険でも保険料の約3割が保険会社の経費に回る仕組みです。大手の死亡保険では6割超が経費と見られる商品もあります。
つまり、専用ATMに1万円入金すると3000~6000円もの手数料が引かれるイメージです。お金の心配をしたくない人が、暴利が疑われるシステムに入ってしまっては本末転倒です」


保険会社の管理職はCMで見る保険には入らない?
 事実、保険会社の管理職や商品設計担当者など、保険をよく知る人たちは、テレビCMなどで一般の人たちにすすめられる保険に加入していないことが珍しくない。
お金を用意する手段として、効率が悪いことを知っているからだ。
 「保険に精通している人ほど、CMなどでおなじみの保険には入らず、社内で案内される格安の団体保険に必要最小限入っています。お金は大事だから、最もコストがかからない選択をする。考えてみたら当然のことです」

 後田氏自身、元々は保険の営業マンだった。
しかし、大手生保や代理店で多数の商品を取り扱ううちに、保険ビジネスそのものを疑問視するようになったという。
 「営業マン時代、様々な保険会社の商品をお客様に販売していましたが、当時から“保険会社が発信していることは建て前に過ぎないのではないか”と思っていました。『お客様の立場で考えます』などと言いながら、手数料が高い商品を売らないと激しく叱責されるような職場でしたから」
 その疑問を裏付けるように、勤めていた保険会社の管理職も安価な団体保険を愛用していたという。
営業マンや顧客に最大限の加入を促している一般向けの自社商品には、入りたがらないのだ。


「もし働けなくなったら…」保険CMの演出力に顧客はハマる
 保険は、お金(保険料)で、お金(入院給付金など)を用意する手段だが、『お金を失いやすい手段』という面も持つ。
 保険会社の経費や代理店の報酬に消えるお金があるため、加入者に還元されるお金の割合は100%を大きく下回るからだ。したがって保険の利用を最小限にとどめるのは正しい判断と言える。
「複数の保険会社で商品設計に関わった専門家は、『保険は演出の力で売られている』とハッキリ言っていました。例えば、広告などでは“医療費は賄えても生活費はどうする?”、“まさか自分がガンに罹るとは思ってもみなかった”など、歓迎したくない事態が語られます。これが演出の力です。自分や家族が窮地に陥る場面を想像すると、お金に関する冷静な判断が難しくなるからです」
 言い方を変えれば、『よく考えない人が、よくわからないまま入っている』のが保険なのだ。

 また、保険会社の営業教育に詳しいある人物は、『営業部門のビジネスモデルは、ほとんど宗教に近い』とも語ったという。
「営業マンに、保険は素晴らしいものだと信じこませることが売り上げアップにつながります。営業部門では、保険契約にかかるコストは金融商品の中でも破格であることなどは教えられていません。その分、セールストークにも迷いがなくなるからです」
 実際、営業マンの中には、自社の保険にたくさん加入していることを公言する者もいる。
自分が入りたくて入った保険をお客さまにも勧めている、という論法だ。
 しかし、彼らはデメリット情報を知らないだけという可能性もある。
「様々な不安から、保険に頼りたくなったら、自動車保険の入り方を手本にすべきです。賠償責任のように億単位のお金がかかるケースには、しっかり保険で備える。そのかわり、数十万円で買い替えられる中古車両には保険をかけない。自己負担できない金額かどうかによって保険加入の是非を決めるべきです」
 今まさに保険の加入を検討しているという人は、保険をよく知る人たちの本音を参考にしてほしい。
必要な保険は、実はそれほど多くはないのかもしれない。
不安感に振り回されることなく、冷静にソロバンを弾くことが、有意義な備えにつながるのだ。


本記事はダイヤモンド・オンラインからの転載です。


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