「節税保険」で生保にクギ 国税庁の隠された一手

 国税庁が「高額な保険料支払いで利益を圧縮し、保険料は返戻金で取り返せる」そんな営業トークで中小企業経営者に売られ、人気を集めた「節税保険」に対して新たな課税ルールを示したのですが、これにより大幅に課税範囲が広がりますが、すでに同庁の新方針が示されていたこともあり生命保険業界には冷静な受け止めが広がっているようです。
 国税庁は生保の「抜け道づくり」を防ごうとしているのですが、節税保険を巡る当局と生保業界の「いたちごっこ」はこれで終息するのだろうかと言われています。
 雨が降り続いた4月10日に都心のビルにある一室に、スーツ姿の男性数人が続々と入っていったそうですが、この男性らは国税庁の職員だったそうで、会場の周囲の緊張感は一気に高まったとのことでした。


「節税保険」で生保にクギ 国税庁の隠された一手
( 朝日新聞2019年4月20日07時00分 柴田秀並 )
 高額な保険料支払いで利益を圧縮し、保険料は返戻金で取り返せる――そんな営業トークで中小企業経営者に売られ、人気を集めた「節税保険」に対し、国税庁が新たな課税ルールを示した。 
 これまでより大幅に課税範囲が広がるが、すでに同庁の新方針が示されていたこともあり、生命保険業界には冷静な受け止めが広がる。
国税庁は生保の「抜け道づくり」を防ごうとしているが、節税保険を巡る当局と生保業界の「いたちごっこ」はこれで終息するのか。
 雨が降り続いた4月10日。都心のビルにある一室に、スーツ姿の男性数人が続々と入ってきた。
会場の周囲の緊張感は一気に高まった。男性らは国税庁の職員だった。
「拡大税制研究会」。生命保険業界がそう呼ぶ会合に招集がかかったのは、その前日。
会場に集まったのは生保各社の税務担当者だ。
 複数の関係者によると、集まった担当者らを前に、国税庁職員は「節税保険」を含めた中小企業の経営者向け保険の新しい課税ルール案を淡々と説明していったという。


節税保険とは
 オーナー社長が多い中小企業では、経営者の死亡や事故は事業上の大きなリスクになる。
 このため、企業が契約する死亡保険などは保険料が全額損金(課税対象外)と認められている。
「節税保険」はこのルールを逆手にとった商品だった。
 高額な保険料支払いで利益を圧縮し、特定の時期に中途解約すれば、支払った保険料の大半が返戻金として戻ってくる。
 そのタイミングで役員退職金の支払いなど、益金を上回る大きな支出があれば、返戻金にも課税されずに済み、「節税できる」――。
営業現場では「節税話法」と呼ばれるセールストークが横行した。
 本来は死亡や事故と言った経営者の不測の事態に備えた保険が、その実態は「節税」目的の金融商品。
生保最大手の日本生命保険が2017年春に売り出した新商品でブームに火をつけ、いびつな形で1兆円近い市場に成長した。
そこへ国税庁が「待った」をかけたのは2月のことだった。

 国税庁は2月13日、「拡大税制研究会」に生保の担当者を集め、節税保険の税務上の取り扱いを見直すと宣言した。
 このまま節税を売りにした販売を続けて、後で課税されるようなことになれば、大混乱を招きかねない。
そのため各社は翌14日から雪崩をうって売り止めにした。
業界では「バレンタイン・ショック」とも呼ばれた。
新たな課税ルールは
 2カ月後の4月に示された新ルールでは、中途解約で戻る「返戻率」の最も高い値に応じて、課税の水準を分けた。返戻率が50%以下と低めであれば、保険料は従来通り全額損金扱いになる。
 一方、返戻率が50%超~70%以下であれば保険料の6割が損金、70%超~85%以下であれば4割が損金扱いだ。
 それ以上の返戻率であれば、「保険料×ピーク時返戻率×9割」が資産(課税対象)計上となり、損金扱いになる比率はさらに低下することになる。

 新ルールに対し、業界からは「まあ妥当な内容だ」(大手生保社員)、「思った以上の衝撃」(保険代理店社員)と、さまざまな声が聞かれる。
 業界の最大関心事は、新ルールがいつから適用されるかだった。
 もしすでに販売され、契約済みの商品にまでさかのぼってルールが適用されることになれば、中小企業の経営者にとっては想定外の負担増になりかねない。
節税をPRした生保各社も顧客の経営者らから責任を問われる可能性がある。

 だが、新ルールでは今後の契約に対して適用され、過去の分にはさかのぼって適用されないことになった。「最悪の事態が回避された」との見方は強い。
国税庁の「真意」
 これまでの生保業界の販売手法を考えれば、国税庁の対応は甘めにもみえる。その真意はどこにあるだろうか。
 同庁が今回、最も問題視したのは「実質(参考)返戻率」という概念を使った営業手法だった。
おもな「節税保険」の返戻率は70~90%程度。
 たとえば毎年100万円の保険料で10年後の返戻率が85%の商品があるとする。
加入者の中小企業経営者が保険料を10年間支払うと、計1千万円が利益から控除される。
 そして、中途解約したら850万円が手元に戻る計算になる。
一方、経営者の会社が毎年100万円の利益を上げているとする。
仮に保険に入らず法人税(33.5%と仮定)を払い続けると、10年間で手元に残るのは税引きで665万円となる。

 生保の営業現場では、両者を比べた割合を「実質返戻率」と称していた。
この例の場合は、実質返戻率は130%近くだ。
保険に入った方が手元に残るお金は3割近く多くなりお得です――。
これが実質返戻率を使った「節税話法」の正体だ。
 だが、この説明は正確とはいえない。
前記の例では、中途解約の返戻金で850万円が戻ったときには、それは益金として結局課税される。
850万円を上回るような支出が同時にあればその部分には課税されないかもしれないが、タイミングを合わせるのは簡単ではない。
それにそうした支出は、保険契約に関係なくそもそも課税されない。

 国税庁はこうした説明が経営者らを錯覚させるうえ、課税のあり方もゆがめるとして問題視した。
 今回の新ルールでは、実質返戻率が100%を超えないような設定を重視したようだ。
新ルールでは、返戻率に応じて保険料が損金となる割合を変えた。
「節税」とアピールする商品の販売競争は終息するとみられ、ある生保幹部は「経営者保険のマーケットはしばらくは保障性や付加サービスを重視した商品が主流となるのではないか」と語る。


日本生命との因縁
 早くも新ルールの抜け道についての臆測も出始めている。
だが複数の関係者によると、国税庁は4月10日に新ルールを説明した場で、生保各社に、国税庁内の一つの部署名を挙げながら、次のような趣旨でクギを刺した。
「生命保険会社からの税務取り扱いに関する質問は今後ここに一元化する」。
 この言葉は何を意味するのか。関係者は語る。「節税保険に関する日本生命との因縁を明らかに意識してものだ」
 実は、節税保険のような商品はかつてもブームになったことがあり、国税庁は通達で抜け道をふさいできた。

しかし今回、それをかいくぐって新たなブームが起きた。
抜け道をかいくぐるのは、起き得ることではあったが、今回特徴的だったのは、それを生保業界最大手の日本生命が率先して行ったことだった。
 日本生命は17年4月、国税庁の通達に触れない仕組みの経営者保険「プラチナフェニックス」を発売。それを見た各社は一斉に追随した。
「業界のガリバーが出したから大丈夫だろう、という意識もあった」(別の中堅生保関係者)。
超低金利で貯蓄型保険の販売が伸び悩む中、「プラチナ・タイプ」の節税保険の売り上げは爆発的に伸び、各社の売上を伸ばす貴重な手段となった。

 だが、日本生命のやり方は強引だった。プラチナフェニックスの発売直前に大阪国税局に税務上の取り扱いについて確認した、とする説明資料を代理店に示していたのだ。
国税当局が将来にわたる税務の扱いを確約したかように資料に明記するのは異例だった。
 日本生命は「画期的な商品で本当に全額経費扱いになるか代理店から問い合わせが多かったため」(広報)という。
 まるで当局の「お墨付き」があるかのようにして売られたことについて、国税庁が苦々しく感じていたのは想像に難くない。今回の「質問一本化」は、そうしたことへの対策の可能性がある。


美しくない生保
 これまで生保業界は、節税保険の商品設計や販売手法について批判されるたびに、「顧客ニーズがある」と説明してきた。
 国税庁が2月に税務上の取り扱いを見直すと表明した後も、生命保険協会の定例会見で稲垣精二会長(第一生命保険社長)は「経営者保険はお客様のニーズがかなり強い商品だ。
作り手として代理店に供給できないのは本当につらいが、引き続き強い潜在ニーズがあると思っている」と強調した。
 だが、本当に「顧客のニーズ」が強い商品なのか。
 返戻金は結局、出口で課税される。それを避けるため、中途解約のタイミングで役員退職金など大きな損失を出す必要がある。
 だが、たとえばある大手生保が販売していた商品の募集資料を見ると、特定の条件ではピークの年の返戻率は95%超にのぼる一方、翌年には84%、その後は65%、48%と急落していく。
 経営環境がめまぐるしく変わる中小企業にとって、返戻率がピークになる年に、返戻金を超える大きな支出を計上するのが本当にうまくいくのだろうか。
 また、急に資金が必要になり、返戻率が低いにもかかわらず解約を迫られるリスクもある。
甘い言葉に乗せられても、結局損するだけになりかねない。

 金融庁幹部も「知識が十分でない顧客に対して、錯覚を利用したような、かなり問題含みの商品だ」という。
「節税保険」は、代理店の販売手数料が高いことでも知られる。
初年度の保険料の3~4割が代理店に入る商品もある。
年間の保険料が1千万円の契約になれば、1件だけで代理店には400万円の収入になる。
販売する代理店にとっては非常においしい商品だ。
 国税庁が課税ルール見直しを宣言した2月。
金融庁の遠藤俊英長官は生保幹部を集めて節税保険についてこう語った。
 「低金利環境による厳しい収益環境が続いているとはいえ、トップライン維持のために、過去を反省することなく、法令や監督指針に照らして問題がある商品まで投入してしまうという保険会社の姿勢はいかがなものか。経営のあり方として美しくない」
 生保業界にいま問われているのは、本当に顧客にためになる商品を開発する「美しい」姿勢ではないだろうか。

(柴田秀並)

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