S&Pが損保業界の格付け見通しを東日本大震災で「ネガティブ」に!

 3月12日に起きた東日本大震災である東北地方太平洋沖地震によって損害保険会社が支払う地震保険金は、阪神・淡路大震災の783億円を超えて過去最大になる可能性が出てきています。
今回の東北地方太平洋沖地震では津波で全損壊した家屋も多く、被害が広範囲にわたっているために、地震保険の保有契約件数も増加しているようです。

 阪神・淡路大震災で発生した被害では平成6年度に396万件だったもののが、21年度には1227万件となっていることから、大手生保各社ではこれらの被害の大きさを考えて、保険料払い込みを最大6カ月間猶予することを決め、大手損害保険会社も保険料払い込みや更新手続きを猶予することを表明していることをBlogにて紹介を致しました。

 3月15日以降の報道各紙より、スタンダード&プアーズ・レーティングズ・サービシズ(S&P)が日本の損保業界の見通しを「安定的」から「ネガティブ」に変更したことが配信されました。配信された記事によると、S&Pが格付けを付与している国内損保16社(再保険会社を含む)のアウトルックはすべて「安定的」だったのですが、11日に発生した東北地方太平洋沖地震が各社の財務基盤にマイナス影響を及ぼすと判断したからだそうです。
この件についての配信された記事については、下記に掲載した通りです。



S&P、日本の損保業界の見通しを「ネガティブ」に変更[2011年3月15日]
(保険毎日新聞3月18日(金)付)

 スタンダード&プアーズ・レーティングズ・サービシズ(S&P)は3月15日付で日本の損保業界の見通しを「安定的」から「ネガティブ」に変更した。
 S&Pが格付けを付与している国内損保16社(再保険会社を含む)のアウトルックはすべて「安定的」だったが、11日に発生した東北地方太平洋沖地震が各社の財務基盤にマイナス影響を及ぼすと判断したもの。

 S&Pでは、「保険金支払いは、危険準備金の取り崩しや再保険金の回収によって相当程度が賄われる見通しである。
 しかし、支払保険金は阪神大震災を上回る水準になるとみられ、期間損益に相応のマイナス影響を与えると考えられるほか、準備金の取り崩しや国内株価の下落が自己資本の押し下げ要因となる」としている。

 S&Pは、今回の震災による保険損失の全容と国内株価市況の動向に注目し、今後、国内損保各社の格付けへの影響を個別に検討する方針。
 検討に際しては、損保各社の東日本における地震リスクエクスポージャー、再保険市場からの保険金回収や準備金の取り崩し状況、国内株価変動が自己資本基盤に及ぼす影響、今後のリスク削減や資本政策の方針などを勘案する。
 現時点では仮に格下げになる場合でも1ノッチ程度になる可能性が高いとS&Pは予想している。




損保業界の格付け見通し「ネガティブ」に=S&P
(時事通信2011/03/16-18:47)

 大手格付け会社スタンダード・アンド・プアーズは16日、再保険会社を含む国内損害保険業界の格付け見通しを「安定的」から「ネガティブ」に引き下げたと発表した。
 東日本大震災による保険金支払いが、阪神大震災を上回る水準になるとみられることから、「各社の財務基盤にマイナスの影響を及ぼす」と判断した。




東日本大震災:損保格付け「マイナスに」--米ムーディーズ
(毎日新聞 2011年3月16日 東京朝刊)

 【ニューヨーク共同】米ムーディーズ・インベスターズ・サービスは14日、東日本大震災により日本の損害保険会社や海外の保険会社の格付けが「マイナスの影響を受ける」との見解を示した。

 日本では、東京海上ホールディングスなど損保大手3社や日本地震再保険が大きな打撃を受ける。
損害額の全体を推定するのは「時期尚早」と説明した。




損保格付け見通し「弱含み」に S&P、震災で引き下げ
(東京新聞2011年3月16日 09時32分)

 【ニューヨーク共同】米格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は15日、東日本大震災の発生を受け、日本の損害保険業界の格付け見通しを「安定的」から「ネガティブ(弱含み)」に引き下げたと発表した。

 地震や津波による損害への保険金支払額は、阪神大震災(783億円)の10倍程度になる可能性があると指摘。
不安定な株式市場も損保の財務状況に影響を及ぼす見通しとしている。

 対象16社について、それぞれの保険支払額が分かり次第、格下げする可能性がある。
準備金があるため、純損益への影響はほぼないという。




保険会社格付けにマイナス影響=東日本大震災で-米社
(時事通信2011/03/15-01:09)

 【ニューヨーク時事】米格付け大手ムーディーズ・インベスターズ・サービスは14日、東日本大震災が、日本および海外の保険会社と再保険会社に多額の損失をもたらし、格付けにマイナスの影響を与えるとの見通しを示した。

 同社は、日本の住宅に関する地震保険の損失には政府支援の枠組みがあるものの、一定規模は民間会社も損失を負担する仕組みになっている点を指摘。

 また、不確実な要素として、電力や輸送インフラの損害による企業の事業停止に絡んだ保険損失が生じる可能性がある点を挙げた。
さらに、再保険市場を通じて、海外の再保険会社にも多額の損失が及ぶとの見方を示した。




損保、企業向け中心に支払い拡大 S&P、格付け見通し引き下げ
(フジサンケイ ビジネスアイ 3月22日(火)8時15分配信)

 東日本大震災は、家屋や工場の損害を補償する損害保険業界の業績にも多大な影響を与えそうだ。

 企業向けの地震保険を中心に保険金の支払いが膨らむ見通しで、一部の格付け会社は、業界の見通しを引き下げた。

 米格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は15日、日本の損害保険業界の格付け見通しを「安定的」から「ネガティブ(弱含み)」に引き下げたと発表。
「準備金の取り崩しや(保有する)国内株価の下落が自己資本の押し下げ要因になる」ことが理由だ。
日本損害保険協会の鈴木久仁会長(あいおいニッセイ同和損保社長)も17日の定例会見で「残念だが、やむを得ない」と認めざるを得なかった。

 支払いが膨らみそうなのは、企業の工場や事務所向けの地震保険。損保各社は保険会社のための保険である「再保険」の契約をしているが、一定の負担は避けられない上、将来的には再保険料の値上げなどが業績の下押し要因となる。

 個人向けの地震保険については、日本損害保険協会によると、政府の支援や積立金により、原則として損保は損失を被らない仕組みだ。
ただ被災の査定や保険金支払いは損保が担っており、実務面での負担は重くなる。

 大量の株式を保有する損保にとっては株価の下落も懸念材料で、下落が続けば、自己資本が著しく劣化する可能性もある。

 一方、保険金の支払いについては、各社とも流動性のある資産を確保しており、問題はないもよう。

 災害時の保険金支払いは損保の本業であり、「業績について議論している場合ではない」(大手損保社員)という声もでている。
 戦後最大の国難のなか、損保の真価が問われる場面となりそうだ。

最終更新:3月22日(火)8時15分



日本の損害保険会社格付を確認、見通しはネガティブ=ムーディーズ
(ロイター 3月23日(水)14時41分配信)

 [東京 23日 ロイター] ムーディーズ・ジャパンは23日、3大損害保険会社グループの傘下にある損害保険会社、東京海上日動火災保険、三井住友海上火災保険、損害保険ジャパン、あいおいニッセイ同和損害保険の格付を確認した。
 一方、格付の見通しを従来の安定的からネガティブに変更した。

 格付の見通しをネガティブに変更した背景には、今回の地震に関連する損失により従来以上に各社の収益性が下方向の影響を受けることへの懸念がある。
 資本への影響については、さほど大きくはないと見られるものの、現在の格付レベルに求められる資本基準との対比でプレッシャーを受けると判断した。


 確認した格付けは以下の通り。

東京海上日動火災保険(保険財務格付) Aa2

三井住友海上火災保険(保険財務格付) Aa3
               (長期債務格付) Aa3
 (短期コマーシャルペーパー格付)Prime─1

損害保険ジャパン (保険財務格付)Aa3
               (劣後債務格付) A2(hyb)

あいおいニッセイ同和損害保険(保険財務格付)A1
最終更新:3月23日(水)14時47分



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